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劉志軍前鉄道相の党籍剥奪 周永康下しの触媒となるか

2012年06月02日

 【新唐人2012年6月3日付ニュース】中国の劉志軍元鉄道相が5月28日、共産党から除名処分を受け、重大規律違反のため司法機関に送致されました。アナリストは、江沢民系に掌握されている鉄道省にメスを入れるのは、秋の党大会前に周永康を下すための触媒になると分析します。

 
5月28日、劉志軍元鉄道相が重大な規律違反が原因で共産党党籍を剥奪され、犯罪の容疑もあるため、司法部門に送致されました。
 
2003年、鉄道相に就任した劉志軍は、大々的に鉄道建設を行い、外部からは“鉄道大躍進”と呼ばれました。5年も経たないうちに、中国は世界最大規模の鉄道システムを建造。一方、鉄道部門は独立した鉄道裁判所、鉄道警察、鉄道企業などの膨大な部門を有し、“独立王国”と呼ばれました。
 
しかし、昨年発生した温州高速鉄道事故に伴い、この独立王国の腐敗ぶりが浮上。時事評論家の洪剣さんは、共産党官僚の汚職腐敗が横行している中、汚職腐敗を口実に政敵を粛清するのは、共産党内部闘争の一つの手段となっていると指摘します。
 
時事評論家 洪剣さん
「鉄道省は江沢民派に掌握され、汚職腐敗は驚くほどです。去年7.23の温州高速鉄道重大事故は胡・温には絶好の機会です。民衆に応えないといけませんから、劉志軍から始まって江沢民勢力を粛清できます」
 
またこれらのことは、胡錦涛政権が自分のペースで徐々に江沢民派の粛清を推し進めている証だと示します。
 
去年2月、劉志軍は鉄道相の職を解かれ、共産党中央紀律委員会は劉志軍の重大な規律違反について調査を始めました。
 
今年3月12日の時点で、最高検察院は“劉志軍の案件はまだ検察側に渡していない”と示しました。しかし、5月28日、劉志軍は党籍を剥奪され、司法機関に送致されました。時事評論家の夏さんは、内部闘争の要素も排除できないと述べます。
 
時事評論家 夏小強さん
「胡・温は劉志軍への立案調査から着手して、鉄道省の安全を管理する副首相・張徳江および他の江沢民派を狙っています。江沢民系の第18回党大会入りを阻止し、更に第18回党大会の人事権を掌握するためです」
 
劉志軍は江沢民元国家主席によって抜擢されたといわれています。報道によると、江沢民の在任中、劉志軍は多くの外国訪問に同行していたそうです。夏さんは、江沢民系の一員劉志軍にメスを入れた事は、胡錦涛政権が江沢民・周永康勢力を一掃するための触媒になると述べます。
 
時事評論家 夏小強さん
「外部の数々の兆候から見て、周永康の失脚はすでに一触即発の臨界点に達しています。劉志軍を処分する事で、江沢民・周永康勢力に打撃を与える。このような措置は周永康を下すための触媒となるでしょう」
 
台湾の“中国時報”は、胡錦涛主席執政以来の9年間、政治改革を推し進める過程においての最大の障害は、改革に成敗にかかわる“大部門体制”が直面した様々な抵抗勢力であり、中でも鉄道部門が最も激しく抵抗し、反改革派勢力を形成していたと指摘。
 
また、今回の中央紀律委員会の劉志軍への処分は、汚職腐敗などの4大罪状だけが原因ではないと指摘。胡錦涛政権があえて劉志軍に手を下したのは、劉志軍が掌握していた高速鉄道建設の審査許可権や秋の党大会で副総理の座を狙っていていたなどの一連の行動、および腐敗に断固とした姿勢を示すための反撃行動であると分析しています。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
 
 

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